地理を考える(5)

 愛知と云えば名古屋だが、刈谷と知多の工場に数えきれないほど

足を運んだ。工場訪問のついでに名古屋城のそばのホテルに泊まり、

トヨタ・グループ御用達クラブに案内されたり、犬山神社のお祭りを

見せて貰ったり、仕事のお蔭で土地の風物に親しめた。

 

 三重の桑名には就職して直ぐに一度だけ工場訪問をしたことがある。

その際、伊勢神宮にもお参りさせてもらった。

 

 和歌山には取引メーカーの大工場があり一度か二度訪問した。

 

 京都は有名なお寺や神社の観光だが数回訪問した。仕事の関係が

無いので、小説や映画で登場するような舞妓・芸者、お茶屋などに

連れて行って貰うことも無かった。

 

 大阪は取引先も多く、工場訪問、会食などで、御堂筋、道頓堀、

みなみ、北と歩き回った。泊るのは大阪城のそばのホテルが定宿だった。

関西に行くと食べ物の美味しいところに案内して貰うのが楽しみだった。

某中小メーカーの社長さんが福知山のかつての大庄屋あとを和食旅館に

改装したところに招待してくれたが、トイレが大きいのに驚いた。

 

 兵庫では姫路の工場に数回見学とか打ち合わせに行ったが、観光は

ゼロだった。

 

 鳥取は島根の工場を訪問した際に砂丘に連れて行って貰っただけ。

島根は親しいメーカーの工場があり、東京から16時間かけて夜行列車

「出雲」で出かけたり、米子へ飛行機で飛んだり、数えきれない位

訪問した。不便なところにあるせいか、暖かい接待を受けた。

松江の宍道湖小泉八雲の住い、松葉ガニなど懐かしいものが

いくらでもある。米子温泉、玉造り温泉も良かった。

このメーカーは年に2回栃木の小山で取引業者を集めてゴルフ・

コンペを開催していたが、一度、大山のゴルフ場でコンペを

催してくれたこともあった。

 

 50才で退社後、夫婦で米子空港に飛び、レンタカーで米子温泉、

大山、松江、出雲大社、玉造り温泉とまわり、出雲空港から帰京。

 

 山口には一度だけ、工場見学にでかけた。新幹線で博多に行き、

特急で戻った。昼食は海岸の会社のクラブハウスでご馳走になったが、

大きな船に瀬戸内海の新鮮魚が山盛り。一生懸命食べたが、半分しか

食べられず、残念でもあり、勿体なくもあり。

 

 最後になるが、新婚旅行が九州周遊だった。東京~神戸、寝台夜行

列車「月光」で夜出発。翌朝、神戸から観光船「くれない丸」で

ゆっくり瀬戸内海を抜けて大分、別府温泉で地獄巡り~高崎山の猿と

遊ぶ。駆け足で雲仙~長崎観光、又も夜行寝台列車「さくら」で帰京。

 

 足を踏み入れてない県は山形、福島、富山、石川、岐阜、滋賀、

奈良、岡山、広島、香川、徳島、愛媛、高知、福岡、佐賀、宮崎、

熊本、鹿児島、沖縄。47都道府県のうちの19県だから、良く

廻った方だろう。秋田も十和田湖に行くとき、通過しただけだから、

実質20県は行ってないことになる。国内でも知らない土地が多い

のが、心残りである。(おわり)