最後に海を見たのはいつだろう。 随分、海を見ていない。
一番最後は2017年6月、息子に東京湾アクアライン~
ウミホタル経由、千葉の墓参りに連れて行って貰った時か。
その前は、2016年3月、これも息子に伊豆の土肥温泉に
連れて行って貰った時だ。 フェリーで清水港経由帰京した。
子供の時は、父親が仕事があったから、母親が皮膚の弱い自分を
潮干狩りに連れて行って、潮風に当たらせてくれた。
父親が東京湾で釣りをするのに付いて行った。
トーチをともして、「せいご」を狙った。「せいご」とは
「すずき」の孫。 出世魚で成長につれて、せいご~ふっこ~
すずきと名前が変わる。 白身魚で開いて、塩干しして火にあぶって
食べると高級魚の味だ。
東京湾はハゼ釣りが盛んで、方々から釣り船が出ていた。
然し、金もかかるし、小用をたすのが嫌で、もっぱら陸釣りをした。
釣り場は月島岸壁と多摩川の河口。 数は獲れなかったが、
はらわたを取って天ぷらに揚げたら絶品。
だったし、金のかからない娯楽だった。 この頃は、地方の畑と同様、
海から自然の恵みを貰っていたのだ。
大学生時代、東北の気仙沼のお寺に2週間泊めて貰い、リアス式
海岸を見て歩いたり、あわびの貝に詰めたウニの浜焼きや、
新鮮な刺身など、海を最高にエンジョイしたのは貴重な思い出だ。
新婚旅行は東京から神戸に夜行寝台で行き、朝から夕方まで、
くれない丸という客船で瀬戸内海を進み、大分の別府温泉に
泊まり、九州周遊の旅をした。
結婚して、子供が出来ると、夏は伊豆の東海岸の温泉宿に連れて
行って、海水浴、温泉、料理を楽しんだ。 伊豆急の駅ごとに
温泉場と海水浴場があり、毎回違う海岸に行くのが面白かった。
仕事で横浜港・神戸港に行き、艀で沖に停泊している貨物船に
行き、甲板に上がり、船倉にも下りた。 貿易関係の仕事を
選んだから、海との縁が深くなって当然。
ニューヨークに駐在となり、オフィスはマンハッタン島の南の
外れにあり、フェリーで通勤も良いかなと、スタッテンアイランド島
に住んだ。 お蔭で毎日、船内で珈琲とサンドイッチを買い、
自由の女神を眺めながらの通勤。
南半球の海も南ア連邦のダーバンという観光地になっている
港の高台から見下ろした。(ダーバンの写真が無いので
少し離れたケープタウンの写真をネットから拝借)
海の記憶は海そのものと同じで果てしない。