「気」のちから

 「気」と云う<字>は誰でも知っている。

しかし、<意味>をどれだけ知っているだろうか。

 

 最も大切なのは「空気」だろう。「空気」は主に水素と酸素で

できており、地球じゅうにある。空気が無ければ生きられない。

この場合、普通は目に見えないが「気」は物質である。

 

 生物の体内にある「空気」は外界との間で入ったり、

出たりする。動物は空気の中の酸素を取り込み、炭酸ガスを出す。

植物は炭酸ガスを取り込んで、酸素を排出する。

 

 このような物質としての「気」を含む言葉としては、

例えば、「蒸気」「湯気」「熱気」「寒気」「換気」「酒気」

「臭気」など沢山ある。

 

 このほか、「電気」「磁気」に含まれる「気」はやはり

目には見えないが、計器で量や速さを計測できる。

従って、これも、物質であろう。

 

  次に、「気」という文字には抽象的で精神的な意味がある。

例えば、「元気」「勇気」「気力」「やる気」「生気」「呑気」

「勝気」「弱気」「覇気」など沢山の言葉がある。

こちらは物質ではなく、当然、目には見えない。

 

 以上のように、「気」という文字は広い意味を持っているが、

ここまでで全てだと思っていた。

 

 ところが、昨年、鍼灸術の関係でネットを通じて知り合った

方から妙なことを聞いた。鍼灸は鍼(はり)を皮膚に刺して、

神経の流れに変化を巻き起こし、自然治癒力をかきたてて、

あらゆる病を治療できるとされている。ところが、その方は鍼

(はり)を使わないでも治療が出来ると云う。

 

 その方は「気」を「エネルギー」と呼んでいるのだが、

この「エネルギー」を患者の患部に放射して治せるらしい。

確かに、医療の根源は「手当て」という言葉で現わされている。

現実に可能なのか聞き返してみたが、お忙しい方なので、

返事は聞いていない。

 

 かつて、柔道を習ったことがあり、知り合いに空手をやる若者

がいたりで、武道には関心があったが、「気」を使いそうな

合気道には縁が無かったから、武道における「気」の働きを

知る機会は無かった。

 

 今回、ネットで調べ始めたら、新たに「気」の働き=ちからが

見えてきた。体内では血液の血管や、神経の神経線維ように、

「気」も「経脈」の中を流れているらしい。

 

 中国やインドで医療の手段や体力強化の方法として、太極拳

ヨーガ、気功などが生れたらしい。仏教の読経、座禅、各種の

修行や瞑想なども精神や身体の強化の手段と考えられる。

 しかし、いずれの修行も時間がかかり、肉体にも負担を強いる

ものと思われる。

 

 ところが、この「気」=「エネルギー」の操作、コントロール

短時間で出来るようになったらしい。今の世の中、何が起きても

不思議ではないが、この技術が広まったら、いろんな分野で役に

立つだろう。幼児から始めたら、どれだけ凄い能力を身に付ける

だろうか。

 

 30年以上前に出会っていたら違う人生だっただろう。