大腸がん手術体験記最終章

 「案ずるより産むが易し」今朝3月30日、術後、丁度10日で

「初便」あり、ようやく「一件落着」。

本人の安堵は勿論、家族にも「おめでとう」と云われた。

 

 最後に、大腸がん手術で覚悟をしておかねばならないことを

一覧表にしておく。ネットの体験記で見かけなかったが、

もし、手術となった場合の参考にされたし。

但し、あくまでも一例としてであり、違う状況もあるだろう。

 

①下部内視鏡(通称大腸内視鏡とも大腸カメラとも呼ぶ)

   問題は腸内洗浄である。前日は病院の売店で売っている、

   三食分のお粥とかポタージュのセットを買って腹に入れる。

   そして、夜、病院が呉れた下剤を服用する。

   当日、透明の洗浄液2リットルを2時間で飲む。

   トイレに何度も行き、排便がオレンジジュースか、

   それ以上に薄くなるのが理想。

   自信があったら、看護師さんを呼んで見せる。

   多分、2リットルでは無理。だが、出来る人もおり、

   どうも自宅でこれをやって来ると、病院では最初の

   2リットルでOKになるようだ。(要確認)

   そして、次の2リットルを飲むように云われる。

   その結果がまだ完全に「水」のような排便でなくても、

   それ以上は飲めとは云われないだろう。

 

②注腸検査

   これは大腸内視鏡で癌が見つかり、転移状況を調べる

   ためにPET-CTと合わせて行うレントゲン検査である。

   問題は下からバリウムを入れて何十枚も撮るために

   腸内洗浄をすること。①と同じ苦しみを味わうのだ。

 

③術後の排便

   手術の前日は絶食。点滴で静脈に体液補給液を入れる。

   当日も絶食。次の日も絶食。点滴を継続。

   問題は排便である。腸内は空の筈だが、下腹部にガスが

   溜まり、可成りの痛みがある。然し、2回下痢便が

   出ると嘘のように軽くなった。

   術後二日目の昼食から重湯と若干の総菜が出る。

   重湯は初めてだったが、米粒は見えず、糊を薄めたみたい。

   問題はその夜だ。又、ガスが溜まり、あまりの痛さに、

   看護師に訴えたら、下剤を少し呉れた。

   3回下痢便が出たら痛みが消えた。

 

④便秘

   重湯が二日ほど続き、そのあと、五分がゆになる。

   そして全粥になる。

   ネットでは術後一週間でガスが出ればOK、腸が蠕動を

   始めたサインで、もう安心と書いてあった。

   ところが、問題は多少ガスが出ても、排便が完全に

   ストップしていて、看護師や先生に訴えると、

   問題は無い、必要なら下剤を出すとのこと。

 

 ガタガタ書いたが、自分の手術も経過も全く問題無く、何と

術後丁度一週間で退院許可が出て、自宅で注意していたら、

二日後、術後10日で量は控えめだが、普通の排便あり、

ようやく肩の荷が下りたのである。

 

 癌は防げないかも知れないが、早期発見に努め、敢然と処置を

すれば、大丈夫だと思う。

 

 最後の最後だが、今回の入院で頭に引っ掛かり、ネットで

調べたが、考えたことを一寸書いておく。

それは、「点滴静注」の技の差である。静脈に針を入れても

血流の逆流が無いと、静脈に針が入っていないわけで、

最悪のケースでは、2カ所で駄目で、3カ所目でやっと入った。

 

 ネットによれば、シミュレーション・キットで練習すると

あったが、問題は静脈の位置、形状(蛇行か直か)、太さなどを

読み取るのには、経験による勘が重要と思う。

皮膚の上にライト付きのルーペを載せて見たらどうなのか。

患者の痛みを減らすため、誰か良い方法を見つけて、

患者を安心させて貰えないものか。