遅い四十肩の治療の話

 約40年前、NYに駐在中に右肩が上がらなくなった。

腕を上に上げようとすると腕の付け根で激痛が走る、

いわゆる四十肩になった。 

 

 成長したら正座が辛くなったから、生まれつき筋肉が

硬かったのが原因だが、発症した直接の原因は徹夜の

ボーリングとかゴルフの練習ボールの打ち過ぎだったと

思われる。 もう一つ思い当たるのが、夏のゴルフで

プレー後風呂やシャワーを浴びずに車に乗り、汗を

乾かすためにエアコンをかけて走り、胸・肩の筋肉を

冷やしたこと。 それと、学生時代から英文タイプを

打っていたのも原因だろう。

 

 NYだからどうしたら良いか見当がつかず、取り敢えず

日本人の内科医院に行ってみたら、何と首筋から血を

抜かれた。 一時的に痛みが取れたが、時間が経ったら

元通り。 整形外科医も紹介して貰えず。

 

 周りの米国人スタッフに話したら、カイロプラクターに

連れていかれた。 ワイフがテニスで手首を捻挫したのが

1回の治療で治ったという。

 

 ところが、カイロプラクターの考え方は背骨が捩れて

神経の根元を圧迫し、それが原因で手や足などの神経に

炎症が起きて痛むのだと云い、レントゲンで背骨の

捩れている部分を見つけて、捩れを戻すように力を

加えるのが治療。 ゴキっと音がするまで力を加える。

(音がしないとダメなのだそうだ)

 

 1ケ月の間に数回通い、確かに少し痛みが少なく

なったが、丁度現地のテレビで日本語放送が始まり、

日本語を話す中国人の鍼灸師のCMを見つけ、藁に

すがる気持ちで治療を受け始めた。

 

 四十肩とか五十肩は自然治癒することもあるが、

半年から2年かかることもある。 結局毎週土曜日の

治療を半年受けてゴルフが出来るところまで治ったが

ボーリングのボールは投げられなかった。

 

 再発はしないとのことだったが、首・肩・背中の

筋肉の痛み、いわゆる頚腕症候群の痛みが時々起こり、

何処に住んでも鍼灸師を見つけては治療を受けてきた。

マッサージも試したが、逆効果で痛みが強くなり、

翌日同じ人間に治療して貰ったら治ったこともあった。

 

 以上の通り、普通は整形外科で西洋医学の治療を

受けるのだが、経験から自分には鍼灸が合っていると

感じていた。 それと鍼灸の効果か、内臓も丈夫になって

いるようで、心臓疾患、前立腺がん、大腸がんなどの

術後が順調だった。

 

 そして、鍼治療は昨年の1月に受けてから、ほとんど

痛みが出ないので、やはり鍼治療をすると再発しないの

だろうと楽観していた。

 

 ただ、昨年半ば頃、右手の小指の第一関節が曲がらなく

なり、鍼灸師に相談したら、整形外科に行くことを勧められ、

近所の個人医院やかかりつけの総合病院の整形外科に行ったが、

特別な治療は必要無く、テーピングをしておけば良いと云われ、

その通り、痛みは無いので放置していた。

 

 ところが、先日のブログの通り、階段の手摺を掴んだら

右手の指から手首に激痛が走り、ペットボトルの蓋も痛みで

開けられない。

 

 慌てて鍼灸師に相談したら、又も、整形外科を勧められ、

上記のような経緯を説明したら、レントゲンを5~6枚も

撮り、肩のあたりに原因があるから、本格的に治療した

ほうが良いとのこと。

 

 四十肩を80を過ぎてから治療するという変なお話。