20220902 大腸癌・前立腺癌 取扱説明書

 

 人生の目的は人によって様々だが、自分の場合は

「丈夫で長生き」がメインテーマだった。

 

 運良く大病に罹らず、怪我もせず、老年期に

入ったが、健康だったのが災いして、

癌に対する勉強不足で失敗をした。

(癌は早期発見で完治出来るのにである)

 

        (大 腸 癌)

これは毎年の市の無料健診の際、検便で潜血が

あったら内視鏡でポリープを切除すれば良いとは

知っていたので、毎年検便をやっていた。

 

ところが、初めて便潜血が分かった時に

下部内視鏡を入れて良性ポリープが1個

見つかり切除して貰ったのが、変な言い方を

すると失敗だった。

 

と云うか、内視鏡を入れるための胃腸洗浄が

あまりにも苦痛だったのである。

 

つまり、結果、大腸癌を軽視しその後の

検便を10年近くサボってしまった。

 

大腸癌は自覚症状が無いが、ふと心配になって

久しぶりに検便をやったら便潜血があり

内視鏡をやったら、今度は大腸癌が見つかり、

CTを撮ったらリンパ節に転移していると

診断され、手術となった。

 

手術は開腹ではなく腹腔鏡手術だから軽く

済み、且つ、リンパ節までは転移してないと

判明、術後のホルモン療法は不要とのこと

だった。

 

術後は癌再燃を警戒して定期的に血液検査で

癌のマーカーをチェックしているが増殖の

気配は無い。

 

然し、頻繁にCT検査と下部内視鏡があり、

ポリープが見つかると、入院して内視鏡

ポリープを取るのだが、胃腸洗浄が苦痛である。

 

       (前 立 腺 癌)

癌と云うと肝臓癌、肺癌、大腸癌、乳癌、

子宮癌は知っていたが、前立腺癌は平成年間に

天皇陛下全摘手術で完治されたという

ニュースを見るまでは知らなかった。

 

この頃の定期健診で初めて採血してPSA検査を

受けたら、PSAが「5」だった。 

 

「4」以下だったら正常と判定された筈だが、

「5」だから、泌尿器科の専門医の診察を

受けるようにと云われた。

 

近所の個人医院を見つけて診察を受けたら、

肛門から直腸に指を入れて前立腺を触診し、

「肥大はありません。癌を疑うなら

直腸から針を刺して組織を取る生検を

やりましょうか」とのこと。

 

この時点では自覚症状が全く無いので

生検を断ってしまったのが間違いだった。

 

それと、もし、この時大病院の泌尿器科

受診していたら、自動的に生検をして癌を

見つけていたのではという気がする。

 

それから約10年後、突然尿が近くなり、

異常を感じて、大病院の泌尿器科を受診した。

 

生検で癌組織が見つかり、PSAが200だか

300。 それからCTやらPETCTやらMRI

調べたら、癌がリンパ節から骨まで転移

しており、全摘は意味が無く、放射線治療

ホルモン治療をすることになった。

 

放射線治療と云うのは土曜・日曜日を除き

毎日通院して前立腺とリンパ節に放射線

照射することで、毎回は15分位だが、

全部で2か月弱かかった。

(骨には照射出来ない)

 

その後は腹部への皮下注射と飲み薬で男性

ホルモンを抑制。前立腺癌は男性ホルモンを

養分として増殖するため)

 

 定期的に血液検査でPSAという癌マーカーを

チェックしてきたが、放射線とホルモン療法で

全摘と同レベルの効果があった。

 

                    (PSA数値の変化)

2015年3月 放射線終了ホルモン治療開始時 5.751

2016年1月      約1年後      0.752        2017年2月        約2年後       0.241

2018年2月        約3年後       0.147

2019年1月        約4年後            0.088

2020年3月             約5年後(最低)         0.050

2021年3月        約6年後(再燃)   0.105

2022年3月        約7年後          0.255

            5月                                                             0.329

            8月                  0.496

最近PSAの数値が明らかな上昇を見せたので、

次期ホルモン治療に入り、飲み薬をより強い薬に

変更された。

 

医師から資料を渡され、いろいろ調べたら、

前立腺癌の栄養分となる男性ホルモンは

精嚢からだけではなく、副腎からも出ている

ことが分かった。

 

注射は精嚢からのホルモンに対するもので、

飲み薬は副腎からのホルモンに対するもの

らしい。

 

尚、理由は聞かなかったが癌組織が再燃しても

放射線治療二度と出来ないとのこと。

 

前立腺癌は男性の2人に1人とか、5人に

1人がかかると云われ、遺伝もするが、

PSA検査で5以上と分かった時点で手を打てば

完治するらしい。

 

一つは前立腺の摘出であり、もっと手軽なのは

微細カプセルに放射線を封じ込めたのを前立腺

中に挿入する方法。

 

      *   *   *

大腸癌・前立腺癌の取り扱いには

  くれぐれもご注意を!

           *   *   *

 

追記:

先日石原慎太郎氏が89才で亡くなられ、

死因は膵臓癌とのことだったが、ネットで

調べていたら、石原慎太郎氏自身の文春への

投稿によると、慎太郎氏も前立腺

罹患中に頻尿について原因を調べるために

腎臓のエコーをしたら、膵臓癌の発見に

つながったとあった。

直ぐに、膵臓を摘出して完治したが、3年後

くらいに再発し、帰らぬ人となられたとのこと。

前立腺癌は進行が遅いから油断していると、

膵臓癌なっているかもしれない。

そして、膵臓癌は進行が早いのである。