イナゴの佃煮

 今から約70年前、大きな戦争のあとの食糧難の頃。

 

 その頃は食べるものが不足して、お米も配給制といって、

政府公認のお店でしかお米を買えませんでした。

 

 買えるお米の量は少なく、お金があっても買えません。

だから「買い出し」と云って、着物や時計など、お米と交換出来る

品物を持って、大きなリュックサックを背負って、田舎の農家を訪問、

物々交換でお米やさつまいもなどを頂いてきました。

 

 お肉やお魚も大変不足していました。

親戚が田舎にある家の子供たちは、田んぼに稲の穂が実る頃、

田んぼへ行って、稲を餌にしているイナゴを網で掴まえました。 

それを、布の袋につめて、親戚の家に持ち帰り、大きな釜や鍋に

沸かしたお湯の中に入れて茹でました。 それから、空の鍋に移し、

醤油と砂糖をかけて煮ると「佃煮」が出来ました。

 

 稲を食べる害虫だから、掴まえて殺しても、そして、それを

食べるのも嫌ではありませんでした。 それに、佃煮にした

イナゴは美味しかったのです。

 

 イナゴの写真をネットから借りてきましたが、可愛いです。

 

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 佃煮は甘露煮とも云います。

 

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 スーパーで売っているのを見たことがありますが、

貴重品になっていました。

 

 田んぼに農薬を使うようになったせいか、もう、まったく

見かけなくなりました。

 

 次回は「えびガニ」(アメリカ・ザリガニのこと)のお話。