気仙沼のウニの浜焼き

 先日、知人からギフトでアワビの姿煮を頂いた。 

 

 アワビの殻には大切な思い出があり、捨てないで保存しておいた。

 

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 スマホにのせてみたら丁度おさまる大きさ。

 

 アワビの貝の思い出とは・・・

 

 約60年前。

 

 大学入学の年、宮城県気仙沼市に文通相手ができた。

彼女は2才年下で、図書館の司書をしていた。 

大学3年の夏休み前、彼女から「市内のお寺がタダで泊めて

くれるから遊びに来ませんか」との手紙。

 

 クラスメートを誘って、東北周遊券を買って上野駅を出発。

 

 翌朝、小牛田駅で降りた女学生達が窓越しに「小牛田饅頭」を

差し入れてくれたのにはびっくり。

 

 お寺での方丈さんご夫妻とお子さんたちとの交流は一生の思い出。

方丈さんは東京の大学卒で、奥様は仙台女子師範卒で教員だったとか。

 

 あるとき、奥さんがおかずに「ウニの浜焼き」を出してくれた。

ウニをアワビの貝殻に詰めて焼いてあり、醤油をかけて頂いた。

地元の漁師のおかみさんが竹籠でかついで売りに来るとのこと。

当時はまだ食糧難だったが、気仙沼漁港が近いから、新鮮な魚介類を

ふんだんにご馳走になったが、このウニの浜焼きはとびきりの美味。

私たちがあまりに喜んだのでもう一度だしてくれた。

 

 その後東京で気を付けて探していたが見つからかった。

 

 ところが、今は何でも通販で手に入るから、調べたらあるには

あった。

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 貝はアワビではなくハマグリ。

 

 問題は値段。 気仙沼でご馳走になったときは、アワビとは

云いながらもっと小ぶりではあったが、1個 25円だったと

記憶する。 それが、ハマグリに乗っていて数千円なのである。

ウニの産地も海外からの輸入が多いいようだ。

 

 「アワビの片想い」ではないが、思い出に浸るだけのほうが

良さそうだ。